
前回はバスフィッシングをこれから始めようとしている方や、始めたばかりの方に向けてオフセットフックの選び方を記事にしました。
結論としてはキロフックやS.Sフック等のオーソドクスな形のフックがどんなワームにも比較的合うし、使い回ししやすいということを前回の記事では書いています。
では、オフセットフックは1種類だけで釣りが成立するかというと決してそんなことはありません。
前提として頭に置いておかなければいけないことは
オフセットフックは他のフックと比べて掛かりが悪いフックだということです。
冬の低活性時やハイプレッシャー時(ゴールデンウィーク終盤やお盆以降の魚がルアーに慣れてきたタイミング等)はバスが口を閉じずにルアーを咥えていることが頻発します。
バスの管理釣り場でサイトフィッシングをするとそれが顕著にわかります。
フックはフッキング動作によってバスの口の中でリグが滑ってバスの口に掛かります。
バスの口が閉じていればで口のどこかでフックポイントが口内にあたり、魚にフックが掛かります。
そんな状況はどんなオフセットフックでも大抵掛かります。
しかし、口が閉じていない・閉じきらない状況ではオフセットフックのフッキング率はフックによって大きく変わります。
フッキング率に関してはマス針やストレートフックに変えれば問題ないという事もあります。
マス針やストレートフックはアイとフックポイントのギャップが大きいため、掛かりシロがあることに加えてワームにフックをセットした場合フックポイントが立ちやすいのが特徴です。
よって、よりバスの口の奥でフックポイントがコンタクトします。

左FPPストレート、右フッキングマスターリミテットエディションヘビー(ともに3/0番)
ワームにセットしてみると

わかりやすいように細身のワームにセットしてみました。
しかし、マス針やストレートフックを使えない状況もあります。
マス針の場合はウィードや立木、等の変化のある場所では根掛かりがどうしても増えてしまいますし、ストレートフックは針を貫通させるためにパワーがあるタックルが前提となります。
前置きがだいぶ長くなりましたが、中級者以上がオフセットフックを選ぶ上で考えなければいけないことは
- 掛かりシロが広いフックを選ぶ
- 根掛かりしない、ワームとの一体感のあるゲイプ幅のフックを選ぶ
- フッキングパワーを考慮したフックのスプリングバックを活かせるフックを選ぶ
以上の3点です。
掛かりシロが広いフックを選ぶ

左フッキングマスターリミテッドエディションライト、ホビット(ともに1番)
比べてみると掛かりシロはホビットの方が広く、フッキングマスターは狭めです。
フックポイントの角度に関してはホビットがラインアイに対して平行、フッキングマスターは若干内向きです。よって、掛かりやすさを重視するならホビットを選択する方がフッキング率は向上します。
加えてよりバスの口の奥でフックが刺さる事で、口の外側の薄い部分で身ギレすることも防止できますし、フックが口の奥にあるのでカバーに絡む心配もありません。
フックポイントが内向きのフックはウィードなどの障害物周りではストレスなく使えますが、少しでも掛かりが悪いと感じた際にはペンチでフックポイントの方向を外側に曲げて上げる事も検討しなければいけません。
では自分が今使っているフックと違うタイプのフックを選ぶ場合にどのように選べば良いか?
気になるフックを全て購入し、フック同士を揃えて違いを比べてみるのが一番わかりやすいです。
しかし、自分の思っていた形状と異なっていればそのフックの購入にあてたお金は無駄になってしまいます。
そこでオススメしたいのがスマホやタブレットを使って気になるフックを検索し、画面の大きさを手元のフックと同じ大きさになるように調整して違いを比べてみるやり方です。
実際に手に取ってみないと分からない部分もあります。しかし大きな失敗を避ける上では有効な手段だと私は考えています。
根掛かりしない、ワームと一体感のあるゲイプ幅のフックを選ぶ
セットしたワームとフックの間に隙間が大きいほどカバーへの貫通性能は落ちますし、その隙間に枝が挟まって根掛かりしてしまったりとトラブルのもとになります。
そこでオススメなのがナローゲイプのオフセットフックです。

上からフッキングマスター、D.A.Sオフセット、FPPストレートです。横から見ると

明らかに真ん中のD.A.Sオフセットがワームとフックの間隔が狭いです。
フックとワームの間隔が一番広いところで幅を計測してみると
フッキングマスターが6mm、D.A.Sオフセットが4mm、FPPストレートが10mmでした。
ちょっとした違いですが、キャスト数が増えれば増えるほど大きな違いになってきます。
適正なゲイプ部分の幅はワームの幅の1.5倍〜2倍が基本になります。
もちろん、ドライブシャッドやハートテイル等の中層を巻いて使うワームの場合はゲイプ幅を持たせることによってリグを低重心にし、スイム姿勢が安定させる必要があります。
リグによってどの程度のゲイプ幅をルアーに持たせるかを考えることも重要です。
フッキングパワーを考慮したフックのスプリングバックを活かせるフックを選ぶ
同じルアーであっても使うタックルによって適正なフックは異なります。
ここでいうタックルは竿の表記だけではなく、使う糸の伸度、リールのギヤ比、個人の身体能力も含みます。
つまり、同じ道具を使っても人によって異なるという事です。
フックのスプリングバック(復元力)がタックルに対して弱い場合、フックが曲がったまま戻らずにバラシの原因になったり、フックが折れてしまう事もあります。
逆にタックルに対してフックが強すぎるとフックがバーブまで貫通しません。
ではどんなフックがスプリングバックが効いているといえるのでしょうか?
一つの目安としてバスを釣り上げてフックを外す際にペンチを使わないと外れない事が多いフックがスプリングバックが機能していると私は判断しています。
ペンチを使わないと外れないフックという事はバラシの軽減にもつながります。
自分に合ったフックを探す事は釣りの精度を上げるうえで、とても重要です。
魚の活性が低い今の時期だからこそ見直してみるのはいかがでしょうか?
以上、オフセットフック選びの中級編ということでまとめさせて頂きました。
読んで頂いた方の参考になったら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。